2009年4月5日日曜日

学びの季節ですね。

4月5日(日)、小林豊子きもの学院札幌本校にて
「名取授豊の会 第17期 全道研修講座」が開催されました。
札幌・小樽・岩見沢地区の皆さんはつい先日
地区開催を終えたばかりですが、春は学びの季節です。
あらゆる「新一年生」のように、気を引き締め
学ぶ意欲を満たすチャンスを逃さない!
という会員の皆さんが一堂に会しました。

今回は「目を見張る補整技術」というテーマで
美しいきもの姿のベースとなる「補整」の新しい技術を学びました。

日本人の体型の変化とともに、きものと帯のバランスや
補整を必要とする部分も変化して来ています。
振袖を着せる、という設定で進められる講座ですので
とりあえず皆さん今日はハタチということで(笑)

今回学んでいただいた技術は“今スグ使える”リアルなもの。
忘れないうちに“自主練”を重ね、
しっかり自分のものにしたいですね!!

2009年4月3日金曜日

日本の歳時記① ~花まつり~

日本には季節の変わり目ごとに四季折々の美しい習慣があります。
長い歴史の中で連綿と伝えられて来た和の文化。
家庭文化、お正月、節分、雛祭り等々…
しかし、今日の行事は形式だけが伝えられ、
本来の意味合いがすっかり忘れられております。
今月から毎月、そうした行事を通し
未来へ向け不易なものとしての和の文化を
伝えてまいりたいと思います。
先人達が残した知恵に学び、
豊かな優しい心を育んでまいりましょう。


花まつりQ&A

Q1 「花まつり」とは?
A  4月8日お釈迦様の誕生日のこと
   灌仏会(かんぶつえ)または仏生会(ぶっしょうえ)といいます
   春爛漫の頃、旧暦では今年5月2日

Q2 お釈迦様は実在の人物ですか?
A  紀元前4世紀以前の実在の人物
   釈迦国(ネパール南方からインドにかけての小国)の王子で、
   ゴーダヤ・シッタルーダといいました
   お釈迦様とは釈迦牟尼(しゃかむに)のことで
   「釈迦」とは種族名、「牟尼」は聖者を表す言葉
   「釈迦族の聖者」という意味です
  
Q3 花まつりに花御堂のお釈迦様に甘茶をかけるのはなぜでしょうか?
A  誕生後すぐ七歩あるいて両手で天と地を指し、
   「天上天下唯我独尊」と言われたそうです
   これを聞いた八大竜王が喜び天上から甘露の雨を降らし
   産湯をつかわせたという伝説に由来します
   現在では無病息災を祈る行事として定着しています

   天上天下唯我独尊:
     宇宙の中で自分より尊いものはない
     花にも木にもこの世に生きている全てに尊い命があり
     大切なもの

Q4 無憂樹(むゆうじゅ)が菩提樹と呼ばれるようになったのは何故ですか?
A  6年間あらゆる苦行を試みたが悟りの境地を得られず
   心が満たされなかった
   苦行を止め、ある村の清流で身体の垢を落とし
   村人スジャーターの捧げた牛乳粥をすすって
   弱っていた身体を休めた
   そして無憂樹の下で瞑想した釈迦は
   宇宙・人生の心理を悟り仏陀となったといわれています

Q5 花まつりのアレンジ

A  春爛漫の様子を桜や小手毬、スイートピーで表し
   天に向かって伸びる竹の子で釈迦を表現しています
   春の野菜ウドを表面に盛り、独活を表しています

   独活:(仏教語)
     金剛杵の一種で、金属製の仏具のこと
     独立心を表す意味があり、博多帯は独鈷紋様になっています












小林豊子きもの学院 北海道学院長 信田豊愁




2009年4月2日木曜日

春のイベント×3

3月22日(日)、札幌後楽園ホテルにて
札幌・小樽・岩見沢地区による3つのイベントが開催されました。

まずは「名取授豊の会 第17期研修講座」。
「名取授豊の会」とは、
小林豊子総合学院長から「豊」の一字をいただいた雅号を持つ方、
すなわち「きもの教授・教授補」の資格を有する方で構成されており、
より高度な技術・知識・感性を磨くため、年に2回 さまざまな観点から
日本文化を深く学びます。

今回のテーマは
「色彩心理学 カラーストーリー」と題し、
色が発するパワーが人間の心理に与える影響を
実践を交えて考察しました。
感情表現に添った色をカラーチャートから選びます

古来より日本人は十二単などの「かさねの色目」に
季節の移り変わりを表現してきました。
TPOに合わせた自分をプロデュースする最高のツールとして
有効的に活用したい“カラー”。
奥が深い世界ですが、感性を磨き色を味方にする術を
ぜひ身につけたい!
と、意欲満々のみなさんでした。

会食をはさみ、続いて「合同認定式」。
昨年一年間に「京都きものコンサルタント協会きもの講師免許」を
取得されたみなさまが免許状を授与されました。
授与される方にとって「先輩」にあたる方々が見守る
厳粛なムードの中、
信田北海道学院長からおひとりづつ免許状が手渡されます。

やはりちょっと緊張しますね


これまでの努力とこれからの希望が胸にわき上がり、
思わず涙が…という方も。
諸先輩方もかつての自分を振り返り、感動を共有できた
素敵な瞬間でした。

そして最後は「合同授業」。
今回は「もっと和の文化に触れたい!」
という全ての方にご参加いただけるよう公開講座として
開催いたしました。

たくさんお集まりいただきました


「伝承(つたえ)たい おもてなしの心」と題し
「人に心を伝える形=作法」を
心をあくまで重視しつつ外的行為の妥当性を求める、という
江戸初期の儒学者中江藤樹の教えにもとづき
再構築していただきました。

演台の桜も花ひらき、おもてなし


お集まりいただいた60名ほどの受講者のみなさんは
外的行為の基本、“笑顔づくり”から実践。
“口角をあげ、目尻を下げ”た100点満点の微笑みで
会場を後にされました。


春を感じさせる柔らかな色合いのきものと口角のあがった素敵な笑顔です!


2009年3月29日日曜日

「第24回きもの展内覧会」ご案内


「美しいきもの姿が日本中に満ちあふれることを」
小林豊子総合学院長の「五つの思い」のこの言葉を胸に
時代衣裳を後世に残すために、
ひたすら歩み続けてまいりました。
今年、第24回きもの展内覧会を迎えることができますのも、
皆様の温かいご支援のお陰と心より感謝申し上げます。
日本の風土気候の中で研ぎ澄まされた感性が、
「伝統」と「現代」の融合を図り、美の世界を作りだし、
私たちの心に豊かさや優しさを語りかけてくれる…きもの。
日本にしかない「きもの文化」を守り続けるためにも、
皆様のご協力を心からお願い申し上げます。
内覧会会場で皆様のご来場をお待ち申し上げております。

小林豊子きもの学院北海道学院長
信田 豊愁



ご来場者プレゼント!
幸せを運ぶ「クリスタルガラス・サンキャッチャー」

風水では太陽の光はエネルギーそのものであり、
その力には計り知れないものがあると考えられています。
サンキャッチャーを飾ることで太陽のエネルギーによる
「陽」の運気を家の中に取り込むことができると言われています。
各会場ご来場いただきましたみなさまに感謝をこめて…

旭川
 北洋ビル 9Fホール 旭川市4条通り9丁目
 4月11日(土)10:00~20:00
   12日(日)10:00~17:00

釧路
 釧路東急イン 2F大宴会場  釧路市北大通13丁目1-14
 4月14日(火)10:00~20:00

帯広
 帯広東急イン 2Fオーク  帯広市西1条南11丁目2
 4月16日(木)10:00~20:00

函館
 ホテル法華クラブ函館 2Fブリリアンホール  函館市本町27番1号
 4月19日(日)10:00~20:00
   20日(月)  〃

室蘭
 中島神社蓬崍殿 1F明庭の間 室蘭市宮の森町1丁目
 4月22日(水)10:00~20:00

札幌 
 外市株式会社 2F・3F展示場 札幌市中央区北5条西14丁目1-20
 4月24日(金)10:00~20:00
   25日(土)10:00~17:00

苫小牧
 グランドホテルニュー王子 2F白樺の間 苫小牧市表町4丁目3-1
 4月26日(日)10:00~20:00
お問い合わせは
  フリーダイヤル 0120-26-1045
または
  Eメール info@kimono-japan.co.jp

2009年3月15日日曜日

お雛様みたい!十二単&束帯挙式

3月14日、北海道神宮にて
十二単・束帯姿による結婚式が執り行われました。

日本の歴史と伝統文化に造詣の深い新郎 越田 拓さん
たっての希望でプランニングされた宮廷装束による挙式。
当学院がお支度のご依頼を承りました。

「変身」直前のおふたり やや緊張気味?


まずはメイクからスタート


いよいよ着装へ 気分もアガります


           できあがりました!お互いのうるわしい姿に思わずニッコリ

神前にて厳かに愛を誓います


始めは「どうなるのかしら…」と
ちょっぴり不安もあったとおっしゃる新婦の恵利子さん。
ご親族の温かい祝福に包まれ
お着替えをする頃には「名残惜しいです」
とお話しくださいました。

きつけ師としてさまざまな形で「門出」のお手伝いを
させていただく光栄を授かる私たちですが
十二単・束帯姿での婚礼は
衣裳から着装技術の細部に至るまで全てがスペシャル。
ご両人をはじめ、ご家族にとって記念となる一日を
ご満足いただけるよう
スタッフ一同全身全霊をかけ取り組んでおります。

おふたりの末永いお幸せをお祈り申し上げます。


十二単・束帯結婚式に関するお問い合せは
info@kimono-japan.co.jp

2009年2月3日火曜日

節分。

節分とは季節の分かれ目のことで、
立春・立夏・立秋・立冬の前日のことをいいます。

年中行事としては、
立春の前日2月3日に行われる節分が特に重く考えられたのは、
長い冬の寒さに耐えてようやく迎える「春立つ日」の喜びが
大きいものであったからと思われます。

「節分」には「豆まき」が一般に行われていますが、
「お化け」をご存じでしょうか。
浅草や祇園などでは
芸者・芸妓が通常の衣裳ではない様々な扮装をします。
一説には子供の様な格好をしたことから「お坊髪」と呼ばれ、
それが「お化け」になったとも・・・

いつもと違う扮装をすれば魔を追い払うことが
できるといわれています。

2009年2月1日日曜日

新年を華やかに祝う。

1月18日札幌後楽園ホテルにて新年交礼会が開催されました。
学院創立40周年を迎える節目の年にふさわしく
全道各地より300名の皆様にお集まりいただき
盛大に新年を祝いました。


毎年趣向を凝らしたオープニングアクトで幕を開けますが
今年は‘超’華やか!!
舞妓さん・芸者さん姿の20名が客席を練り歩きます。

そして舞台上、きつけ舞「芸者早着せ」のスタートです。

長唄「雛鶴三番叟」の生演奏に乗せて、
着せ手の卓越した技術と息の合った舞い手の洗練された動きに
客席の皆さんは釘付け!
他では見ることができないパフォーマンスに
学院伝統の精髄と時代の息吹を感じていただけたのでは…

会食をはさみ、
「岩崎伝札幌鬼剣舞」の登場。
九百年以上の昔から凶事をさけ吉祥を呼ぶ呪術として
岩手県各地で踊られてきた鬼剣舞は
鬼面と長いカツラ、大口袴をつけ、拍子に合わせて舞う踊り。
この日お集まりの皆様は邪気を祓われ
一年を安泰に過ごせることでしょう!?

http://ho-ko.jp/kenbai/index1.html



そして
歌手のおふたりもかけつけていただきました。
札幌出身の「ちはらさき」さんは
お母様が当学院できつけを学んだ教授免許保持者。
身についたおきもの姿で「夜祭り恋歌」をしっとりと歌い上げます。

http://www.fromsounds.jp/

「深田るみ子」さんは
司会進行のHBCアナウンサー鎌田強氏との
軽妙なトークの掛け合いとデュエットで会場を沸かせます。
「ロックソーラン節」ではコール&レスポンスも巻き起こり
会場はヒートアップ!

http://www.fukadarumiko.com/

エンディングは人形浄瑠璃、
札幌で活動歴14年の「あしり座」。
能の「翁」を下敷きにしたご祝儀舞「二人三番叟」を
ご披露いただきました。
三人が一体となっての見事な人形遣い、
間近に見るのは初めてという方が多かったようです。


皆様にとって素晴らしい一年でありますよう祈念し、
信田学院長ご発声による「〆の手開き」で幕を閉じました。

様々な分野の伝統文化が一堂に会した本年の交礼会。
形は違えども、伝統の継承と啓蒙への志は同じであると感じました。
ご出演いただきました皆様、
舞妓・芸者お支度のため早朝よりお集まりいただきました生徒の皆様、
ご協力ありがとうございました。