2009年7月11日土曜日

日本の歳時記④~きものの手入れ~

夏の暑さも本格的になってきました。
暑さを感じさせない「夏のきもの美人」になりましょう。

今回は着た後の手入れをご紹介いたします。
きものは脱いだ後すぐしまうのではなく、
少し時間をおいて手順よくしまいましょう。


① まず手を洗う

  大きい風呂敷か衣裳敷を用意し、その上できものを脱ぐ事。
  きものを床に直接おかない注意が必要です。


② きものハンガーで汗を干す

  風通しの良い、日の当たらない場所に   
  きもの・長襦袢をハンガーにかけ温もりを取って下さい。
  帯はよくたたいてシワを伸ばしてからハンガーにかけると
  小さなシワは取れます。
  かける時間は2~3時間を目安に、
  間違っても丸一日かけっぱなしにしないように。

  シミ・汚れがないか必ず点検をする事。
  汚れ・汗ジミが大きかったら専門家に依頼しましょう。
  絹は「生きて吸収している」と考えて下さい。


③ 湿気が抜けたらたたむ

  ガーゼ等で軽くたたき、埃を取りましょう。
  ホテル等に長い時間いると絨毯から静電気をよび、
  きもののふき(裾)に絨毯の毛足が入り込んでいる事がありますので
  小さなハケやブラシでよく払って下さい。


④ 帯揚げのシワを伸ばす

  帯揚げは四つ折りにしてたたみますが、
  シワのある時は二つ折りにしてくるくる巻くと
  使う時にはシワが消えています。


⑤ 帯締めは房を大切に

  四つ折り位にして房に和紙や半紙を巻いておくとよいでしょう。


⑥ 小物の始末

 ・足袋
  足袋はすぐ洗いましょう。
  汚れのひどい時は歯ブラシに石けんをつけ、
  底の縫い目の部分をこすって下さい。
  洗濯機に入れる時は、
  全体を縦・横に引っ張ってからネットに入れ洗いましょう。
  干す時はコハゼのついている側を上に、その内側をとめます。

 ・草履
  湿気を取ってから下駄箱へ。
  草履の底は湿気がたまっています。
  柔らかい布で全体をふき、底が見えるように立てかけ、
  陰干しをして下さい。


⑦ アイロンのかけ方

  目立つシワがありアイロンをかける時は
  きものの裏から当て布(白い木綿で糊けのないもの)をして
  こすらず、さっと重みをかけるくらいで。
  スチームアイロンの蒸気は生地を縮ませてしまいますので
  使わないこと。
  ただし、強いシワや高級品は
  専門家にお任せした方が良いでしょう。



小林豊子きもの学院 北海道学院長
信田 豊愁

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