2009年7月30日木曜日

舞ます!語ります!

7月22日 札幌モーニングロータリークラブ第1000回記念例会において
本学院のお家芸のひとつとも言える「きつけ舞」を披露させていただきました。

この会に席を置く
NPO法人日本時代衣裳文化保存会理事の
児玉芳明氏(元北海道フットボールクラブ社長)からオファーをいただき
「日本の心と美」を伝える良い機会、と
参加させていただきました。

曲に合わせてきものを着上げる“きつけ舞”は
美しく装うための技と心を優雅な動きで表現します。
きつけ技術の鍛錬もちろんのこと
メンバーの心をひとつにする‘和’がもっとも大切。
汗と涙のお稽古を積み、本番に臨みます。

本番寸前の激緊張ショット











司会の方から
「きものって簡単に着れるんですね~」のコメント。
(舞台袖:メンバー「そんなことあるかいっ!」総ツッコミ)
でも・・・・大成功!!
いかに簡単に見せるか、きつけ舞の醍醐味です。

舞のあとは「和の美しさ」と題して
当学院北海道副学院長 佐藤豊朱先生の講演。

蚕の命をいただき慈しみながら仕立て身にまとうきもの。
日本人が大切にしてきたおもいやりの心を
陰陽五行説にもとづきながらお話いただきました。

日頃きものとは縁のない方々へ
「日本の心と美」を振り返っていただく
貴重な機会を持つことが出来ました。

2009年7月28日火曜日

男子だってきつけ!

当学院きもの講師が授業を担当している
札幌ビューティーアート専門学校美容科2年生の授業での一コマ。
いつもはきつけ用ボディを使用してきつけを練習していますが
この日はクラスメイト女子の背中を借り半幅帯を結びました。


かわいく結ばないと… いつもよりかなり本気モード

身長差約40㎝もなんのその

バッチリ決まりました


そもそも舞妓さんのきつけをする男衆さんや
十二単などの装束着装の祖は男性。
コスメティックカウンセラーでさえ男性が珍しくない現在、
男性美容師がきつけを担当するサロンも増えていくことでしょう。

学期の始めには
「男がきつけ?」と気乗りしない男子学生達ですが、
ひとつのスタイルを作り上げる達成感や日本文化の端緒に直に触れ
劇的に考え方が変わっていきます。

ヘアー・メイク・ファッション…
お客様から安心して
トータルコーディネートをおまかせされるスタイリスト目指し
頑張りましょう!

2009年7月27日月曜日

留学生だって浴衣!

7月21日、札幌聖心女子学院高等学校にて
浴衣のきつけ講座が開かれました。
NPO法人日本時代衣裳文化保存会の活動の一環で
全道各地の高校から依頼を受けております本講座ですが
今回は留学生が挑戦です。

アメリカ・フランス・コスタリカから来日中の4名。
日本文化に興味があっての留学ですから
当然、浴衣のきつけにも興味津々。
自分で結びあげた帯に思わずニッコリです。

講座ではいつも
着るだけでなくたたみ方も指導しておりますが
この日の4名はとっても丁寧にたたんでいて
講師の伊藤豊壽美先生もビックリ!
たたみ上がった状態を見て
「真っ直ぐに整うのはどうして?」
という鋭い質問が飛び出しまたまたビックリ!

正座やお辞儀の仕方にも積極的にトライ。
今回の経験が日本文化をより深く理解するきっかけと
なっていただけたら…

日本時代衣裳文化保存会、世界へ羽ばたきます

2009年7月26日日曜日

ちょっとのアイディアでおもてなし

7月17・18日、札幌本校にて
「おもてなしの心」と題してプチ講習会が開かれ
和紙や折り紙を使ってはし袋やコースターを作りました。
講師は手稲区「水守教室」の水守豊佐智先生にお願いいたしました。

会の冒頭、「祝い箸」に関するお話をしてくださいました。

お祝いの席やお正月に使われる柳でできた箸で
一方を神様、もう一方を人が使えるよう両端とも細くなっています。
新春真っ先に芽吹く「芽出たい」木で
邪気をはらうと言われることから柳でつくられます

水守先生はお正月にこの祝い箸をご自分で作った箸袋に入れ
ご家族やお客様にお出ししているそうです。
今回はその素敵なアイディアをちょっとだけ教えていただきました。

「折り紙なんて久しぶり」と言いながら手を動かしだした皆さん。
途中、「ワケわかんなくなってきた~」という声も聞こえましたが
次第にかつてのカンを取り戻し(?)、
複雑な構成のコースターも楽しく作り上げました。

今回はきれいな千代紙を使いましたが
先生のご自宅では広告チラシや不要な紙の柄を上手く利用して
鍋敷きなども作っているそう。
「もったいない」の気持ちと「おもてなしの心」が結びついた
和の生活を実践されている水守先生、見習いたいですね。

2009年7月13日月曜日

「花魁姿」体験記

6月19~21日
「第24回日本伝統衣裳の復元・きもの展」にて
スペシャル企画!
「特別講演と花魁衣裳体験」
が開催されました。

NPO法人日本時代衣裳文化保存会理事長であり
小林豊子きもの学院学長の宮島健吉先生による
特別講演「時代衣裳に見る愛と美」
にお集まりいただいた沢山の方々に
花魁衣裳の着装を体験していただきました。

正式に衣裳・かつらをつけると
20㎏近くになる豪華絢爛な花魁姿。
短時間で気軽に体験していただけるよう
俎(まないた)と呼ばれる大きな前帯と
襠(しかけ)と呼ばれる打掛のみを
着ていただきました。

その中のおひとりで
現在、小林豊子きもの学院旭川事務局
渡辺豊慎先生のもとできつけを学んでいる
遠藤あゆ美さんに感想を伺いました。

「重たくてあつかったのが印象です。
でも、人生で最初で最後の体験だと思うのですごく嬉しかった!
感動しました!!」

近くにきつけ教室がある事を知り、
お稽古を始めて4ヶ月のあゆ美さん。
きもの展では目にするきものの美しさに驚きの連続。
これからも様々な経験を通し、
きつけの技術ときものへの想いを高めていただけることでしょう。

特別講演では
俎や襠に描かれた「鯉」や「もみじ」の意味合いや
胴抜きと呼ばれる間着に隠された理由、
足袋を履くことが出来なかった花魁の悲しい身分など
類い希な衣裳に込められた
‘愛’にまつわるストーリーをうかがうことができました。

着装実演を担当していただきましたのは
日本時代衣裳文化保存会会員のみなさん。
衣紋の作法に則った美しい所作をお見せくださいました。
ありがとうございました。

赤川 豊朋   秋元 豊春果  石下 豊美子
井上 豊敬   小野 豊雅   木村 豊俊
久野 豊珠   黒岩 豊美   古池 豊凌
小林 豊由彩  斎藤 豊亜紀  齋藤 豊元
佐藤 豊富沙  髙橋 豊菜   田中井 豊綬
谷口 豊翠   玉山 豊一哉  長砂 豊苗
丹羽 豊佐紀  丹羽 豊彩   林 豊紀
福屋 豊友   前川 豊穂   正木 豊伎
室谷 豊萃   鷲尾 豊奈
                  (敬称略 五十音順)

2009年7月11日土曜日

日本の歳時記④~きものの手入れ~

夏の暑さも本格的になってきました。
暑さを感じさせない「夏のきもの美人」になりましょう。

今回は着た後の手入れをご紹介いたします。
きものは脱いだ後すぐしまうのではなく、
少し時間をおいて手順よくしまいましょう。


① まず手を洗う

  大きい風呂敷か衣裳敷を用意し、その上できものを脱ぐ事。
  きものを床に直接おかない注意が必要です。


② きものハンガーで汗を干す

  風通しの良い、日の当たらない場所に   
  きもの・長襦袢をハンガーにかけ温もりを取って下さい。
  帯はよくたたいてシワを伸ばしてからハンガーにかけると
  小さなシワは取れます。
  かける時間は2~3時間を目安に、
  間違っても丸一日かけっぱなしにしないように。

  シミ・汚れがないか必ず点検をする事。
  汚れ・汗ジミが大きかったら専門家に依頼しましょう。
  絹は「生きて吸収している」と考えて下さい。


③ 湿気が抜けたらたたむ

  ガーゼ等で軽くたたき、埃を取りましょう。
  ホテル等に長い時間いると絨毯から静電気をよび、
  きもののふき(裾)に絨毯の毛足が入り込んでいる事がありますので
  小さなハケやブラシでよく払って下さい。


④ 帯揚げのシワを伸ばす

  帯揚げは四つ折りにしてたたみますが、
  シワのある時は二つ折りにしてくるくる巻くと
  使う時にはシワが消えています。


⑤ 帯締めは房を大切に

  四つ折り位にして房に和紙や半紙を巻いておくとよいでしょう。


⑥ 小物の始末

 ・足袋
  足袋はすぐ洗いましょう。
  汚れのひどい時は歯ブラシに石けんをつけ、
  底の縫い目の部分をこすって下さい。
  洗濯機に入れる時は、
  全体を縦・横に引っ張ってからネットに入れ洗いましょう。
  干す時はコハゼのついている側を上に、その内側をとめます。

 ・草履
  湿気を取ってから下駄箱へ。
  草履の底は湿気がたまっています。
  柔らかい布で全体をふき、底が見えるように立てかけ、
  陰干しをして下さい。


⑦ アイロンのかけ方

  目立つシワがありアイロンをかける時は
  きものの裏から当て布(白い木綿で糊けのないもの)をして
  こすらず、さっと重みをかけるくらいで。
  スチームアイロンの蒸気は生地を縮ませてしまいますので
  使わないこと。
  ただし、強いシワや高級品は
  専門家にお任せした方が良いでしょう。



小林豊子きもの学院 北海道学院長
信田 豊愁