2008年4月30日水曜日

和文化きもの豆知識③

端午の節句 ~吹き流しの五色の意味~


青く澄み切った五月の空に悠々と泳ぐ鯉のぼり、青・赤・黄・白・黒(今は紫)の吹流しが勢いよく風を吸い込んでいます。
青は仁(愛)、赤は礼(礼儀)、黄は信(信仰)、白は義(道理)、黒は智(知恵)を表現しています。ちなみに紫は徳(正義・人徳)を持った人間に育って欲しいという親心が吹流しの色となり、また、厄除けという説もあります。
これは中国における五行思想の中の「五常の心」に表現されております。

五月五日はこどもの日、
昭和23年に発布された国民の祝日に関する法律に
「子どもの人格を重んじ、子どもの幸福を図ると共に母に感謝する日」
と定められています。

端午の節句、
柏餅を食べながら、柏の葉は若葉が出るのを見届けてから古い葉が落ちる
意味合いなどを語りながら親子で感謝する日にしませんか。


NPO法人日本時代衣裳文化保存会 理事
小林豊子きもの学院 北海道学院長      
信田 豊愁

和文化きもの豆知識②

あなたの家紋は

あなたは家紋を知っていますか。
と尋ねて「ハイ」と答える人の少ないのに驚いてしまいます。
家紋はお墓のみと考えていませんか。
日本人は精神性を重んじると言われますがはたしてどうなっていくのでしょうか。

娘が嫁ぐとき持っていく実家の紋、
留袖・色無地、喪服などに付けていく紋は地域によって違います。
関西では母方の紋、関東では父方の紋になります。
そのときに少しだけ優しく変えることもあります。
例えば、桔梗の紋ですと
のぞき桔梗やふちだけを描く陰桔梗にし、これを女紋とし優しさを表現します。
本来、一軒の家には父の紋、母の実家の紋と二種類あることになりますが
北海道の場合は父方の紋を持たせることが多いようです。
 
陰紋
陰桔梗
比翼紋
剣桔梗
日向紋
桔梗
のぞき紋
糸輪に覗き桔梗
崩し紋
結び桔梗


紋の着いた着物には、家族の共通の心があり
生きる上で最も深い心の絆に成っているのではないでしょうか。
あなたの家紋を今一度確かめては如何でしょうか。



NPO法人日本時代衣裳文化保存会理事
林豊子きもの学院 北海道学院長
信田 豊愁

2008年4月29日火曜日

和文化きもの豆知識①

風呂敷の由来 ~唐草文様は龍~

室町時代(1338~1573年)将軍足利義満が室町の館に大湯殿(蒸し風呂)を建て近習の大名を供応する際、大名を一緒に風呂に入れました。

そのとき衣服の取り違いを防ぐ為に定紋をつけた絹布に衣服を包み風呂から上がってその布の上で身支度をする…
「風呂」に「敷く」ところから風呂敷と呼ばれるようになりました。

風呂敷には色々な文様があり
特におめでたいときに使われた「唐草文様」の唐草は
龍と密接な関係があります。

東洋思想における「唐草」には植物以外の素材で
「龍」と「雲」として考える方が適切と思われています。
応神天皇陵出土の鞍に唐草文様として龍が抽象化され配置し
この文様が龍である貴重な資料として残されています。

唐草文様の風呂敷は聖なる竜神を表し
つる草の長く伸ばした生命力の強さは延命長寿の象徴とされています。
唐草文様の風呂敷が家のどこかで眠っていませんか。

NPO法人日本時代衣裳文化保存会 理事
小林豊子きもの学院  北海道学院長
信田 豊愁










2008年4月13日日曜日

きもの展内覧会開幕。

4月11・12日、札幌地区において
「きもの展内覧会」がスタートしました。
今回は市内にある呉服問屋「外市」さんの社屋が会場に。

場内のあちこちに「源氏物語」の香りが

落ち着いた雰囲気の中
たくさんのきものに直に触れ、
それぞれの特徴やバックグラウンドを理解しながら
ゆっくりと好みの品をお選びいただきました。

にぎわってます


札幌会場では今回特別に
特設のお休み処にて
市内老舗お寿司屋さん「すし善本店」より板前さんをお招きし
来場の皆様に握りたてのお寿司を堪能していただきました。

板前さん、ごちそうさまでした!

日本時代衣裳の復元を目指した「きもの展」。
皆様の温かいご理解とご支援に心より感謝申し上げます。

お気に入りがみつかりました♪

この後
函館・室蘭・苫小牧・旭川・帯広・釧路各地にて順次開催されます。
お近くの会場にて皆様のご来場をお待ちしております。





お問い合せは
info@kimono-japan.co.jp

2008年4月7日月曜日

漢方アロマを学ぶ。

4月6日、小林豊子きもの学院札幌本校にて、
名取授豊の会 第16期研修講座が開催されました。

「名取授豊の会」とは、
小林豊子総合学院長から「豊」の一字をいただいた雅号を持つ方、
すなわち「きもの教授・教授補」の資格を有する方で構成されており、
より高度な技術・知識・感性を磨くため、年に2回 さまざまな観点から
日本文化を深く学びます。

今回は「美しいきもの姿」のベースとなる、
「健康な心と体」にフォーカスをあてました。

当学院にて「漢方アロマ」クラスを担当する
医学博士 陶 恵栄先生の講演からスタート。

古代中国の自然哲学「万物は木・火・土・金・水の 5 種類の元素から成る」
という「五行思想」から、
干支・季節・方位・身体・感情などの関わりを理解。
中国医学の基本でもある漢方と、
予防医学として知られるアロマテラピーを融合した
「漢方アロマ」の有効性について学びました。
人間が最も多く身体に取り込む「空気」の質が及ぼす影響をあらためて
(初めて?)認識したのでは・・・

さらに、「医食同源」を実践すべく薬膳料理をいただきました!
冬虫夏草(とうちゅうかそう)・枸杞(くこ)・棗(なつめ)などがたっぷり入った
薬膳鍋に舌鼓。


「薬膳」というと薬くさい、という思い込みはみごとに裏切られ、
陶先生監修のもと厳選された食材がひとつのお鍋の中で生み出すハーモニーが
五臓六腑にしみわたる!! 食べている最中から健康になってる!?

料理提供をしてくださった「上海食苑」様
(札幌市北区北12条西3-4 011-707-5433)、ありがとうございました。
                           料理長 王 正兵 氏 ごちそうさまでした
 
内臓が元気になったところで心も元気に。
午後からは、信田豊愁北海道学院長の実践する健康の秘訣を
ちょっとだけ伝授いただくとともに、
五行思想と日本の着装文化の結びつきについても理解を深めました。

全道から駆けつけた60名あまりの出席者全員、この一日で
脳・内臓・精神力がいちだんとパワーアップしたにちがいありません!!



「名取授豊の会」では、
会員のみなさまの視野を広げ、向上心にお応えできる研修を続けてまいります。


お問い合せは
info@kimono-japan.co.jp