2009年4月3日金曜日

日本の歳時記① ~花まつり~

日本には季節の変わり目ごとに四季折々の美しい習慣があります。
長い歴史の中で連綿と伝えられて来た和の文化。
家庭文化、お正月、節分、雛祭り等々…
しかし、今日の行事は形式だけが伝えられ、
本来の意味合いがすっかり忘れられております。
今月から毎月、そうした行事を通し
未来へ向け不易なものとしての和の文化を
伝えてまいりたいと思います。
先人達が残した知恵に学び、
豊かな優しい心を育んでまいりましょう。


花まつりQ&A

Q1 「花まつり」とは?
A  4月8日お釈迦様の誕生日のこと
   灌仏会(かんぶつえ)または仏生会(ぶっしょうえ)といいます
   春爛漫の頃、旧暦では今年5月2日

Q2 お釈迦様は実在の人物ですか?
A  紀元前4世紀以前の実在の人物
   釈迦国(ネパール南方からインドにかけての小国)の王子で、
   ゴーダヤ・シッタルーダといいました
   お釈迦様とは釈迦牟尼(しゃかむに)のことで
   「釈迦」とは種族名、「牟尼」は聖者を表す言葉
   「釈迦族の聖者」という意味です
  
Q3 花まつりに花御堂のお釈迦様に甘茶をかけるのはなぜでしょうか?
A  誕生後すぐ七歩あるいて両手で天と地を指し、
   「天上天下唯我独尊」と言われたそうです
   これを聞いた八大竜王が喜び天上から甘露の雨を降らし
   産湯をつかわせたという伝説に由来します
   現在では無病息災を祈る行事として定着しています

   天上天下唯我独尊:
     宇宙の中で自分より尊いものはない
     花にも木にもこの世に生きている全てに尊い命があり
     大切なもの

Q4 無憂樹(むゆうじゅ)が菩提樹と呼ばれるようになったのは何故ですか?
A  6年間あらゆる苦行を試みたが悟りの境地を得られず
   心が満たされなかった
   苦行を止め、ある村の清流で身体の垢を落とし
   村人スジャーターの捧げた牛乳粥をすすって
   弱っていた身体を休めた
   そして無憂樹の下で瞑想した釈迦は
   宇宙・人生の心理を悟り仏陀となったといわれています

Q5 花まつりのアレンジ

A  春爛漫の様子を桜や小手毬、スイートピーで表し
   天に向かって伸びる竹の子で釈迦を表現しています
   春の野菜ウドを表面に盛り、独活を表しています

   独活:(仏教語)
     金剛杵の一種で、金属製の仏具のこと
     独立心を表す意味があり、博多帯は独鈷紋様になっています












小林豊子きもの学院 北海道学院長 信田豊愁




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